澄心について

澄心(ちょうしん) 設立の思い

イラスト

これまで、障がいのある方たちは、歴史を通じて、その存在意義を否定され、蔑まされ、虐げられ、哀れみを受け、同じ時代に生を受けた一市民でありながら、一般社会から隔てられてきました。
そんな時代を嘆き不安に思い、1999年知的障がいを持つ親がわが子を安心して預けることのできる入所施設をと願い、一念発起し、旧伊予三島市で法人を立ち上げました。 その頃は、まだ障がいのある方の多様な生き方や可能性が、地域の中で目に見える実践としてなかった時代。家族がいつか力尽きた時には施設という選択肢しかなかった時代でした。
それから、10年以上が経過し、障がいのある方を取り巻く状況は大きく変化してきました。
「措置制度」という50年来変わらなかった国の行政処分の考え方が、選択、契約を基とした「支援費制度」へ。そして「障害者自立支援法」という、個人が尊厳を持って、その人らしい自立した生活が送れるよう支えるという社会福祉の理念に基づいた自己選択、自己決定、ノーマライゼーションの考えが具現化されていきました。
瞬く間に、福祉サービスが増え、福祉の担い手や関係する人の層が広がり、それとともに障がいの概念や人々の価値観が多様化していきました。
2004年に市町村合併し四国中央市となり、「自己選択、自己決定」を保障できるように、障がい福祉サービスの数も種類も増えていきました。
2000年に入所施設に来られた方も、今では20名ほどの方がケアホーム・グループホームに生活の拠点を移されたり、敷地内で展開していた昼間の活動も、仕事として出勤する風景に変わることで生活のメリハリが生まれたり、逆に長年在宅での生活だけだった方が、昼間に施設を利用することで、家族以外の新たな社会に触れることができたり、施設や福祉サービスの役割も少しずつ変化をしていきました。
しかし、時代や法律、人々の価値観が変われど、障がいのある方にとって一貫して変わらざること、大事にすべきことを私たちは忘れてはいけません。

法人理念

このまちで 共に生きる

私たちの信条

私たちは、障がいのある方が自分のことを大切に思い、
自分らしく誇りをもって豊かに生きていけるために必要なことを、
生涯にわたって支え続けます。

私たちは、障がいがあってもなくても、
互いに人として尊び、成長し続ける可能性を信じ、
人間として高めあうことを大切にします。

私たちは、ご本人の声なき声に耳を傾け、
ご家族をはじめご本人を取り巻くあらゆる関係者と
より良い連携をしていくことに努めます。

私たちは、ご本人にとって最大限の安全・安心を保障しながら、
私たちと限りなく同じ暮らし・経験・役割を追求し続けます。

私たちは、何人たりともご本人の権利を侵害することを許さず、
私たちも常に自らを省みながら、共に生きていくことを目指します。

ごあいさつ

 私たちはこのまちで障がいのある方が安心と尊厳をもって豊かに暮らすことのできる社会の実現に寄与するため、様々な障がい福祉事業を展開しています。

自閉症スペクトラムをはじめとする発達障がい、重度の知的障がいのある方の人生をまるごと支えるなかまたちは澄心の原点であり、社会福祉法人が担うべき最大の使命と言えます。しかしながら、施設が全ての問題を解決できるわけではなく、またそれだけで完結するわけにはいかないことは、これまでの長い障がい福祉の歴史が物語っています。障がいのある方はその個人の存在意義を否定され、蔑まされ、虐げられ、哀れみを受け、同じ時代に生を受けた一市民でありながら、一般社会から隔てられてきたという事実です。なかまたちは入所施設でありながら個室、ユニット制による小集団の生活を大事にし、日中は居住空間と違う場所に通うことでメリハリのある日課を送ることを可能とする私たちが当たり前に経験している普通の暮らしを実現することを目指しています。これは、ノーマライゼーションという今や世界標準とされる考え方に基づいています。

障がいのある方が自己の尊厳を取り戻し、自分らしい人生を送ることを追求していくと、生活の拠点をよりまちなかに移し、家庭に限りなく近い環境で暮らしを支えるグループホームが必然的に生まれました。

施設の持てる機能や高い専門スキルがごく限られた人だけでなく、まだ支援が届いていない誰かにつなげるために、まちの中に出向いて一人一人の願いを聴き、生まれ育ったこのまちでその願いを叶えるお手伝いをするのが相談支援、コーディネーターの役割です。

学校卒業後就職のあてもなく、家庭以外に行き場のなかった人たちが初めてできたデイサービスセンターに一人二人と集まってきて、理解し信頼し合える仲間がいて、活躍できる場所があれば障がいがあっても持てる力を発揮できることを、私たちは教えてもらいました。自分の可能性を試せる場所、自分の存在を認められる場所として、たのしみ、ステップbyすてっぷの絶え間ないチャレンジが過去、現在、未来へとつながっています。

成人期の支援を通して見えてきたことは、幼児期・学齢期の療育の充実がその後の人生に大きな影響を及ぼすということでした。そうして今のぽれぽれが創りだされ、大人になったら…という希望を親とともに協働で紡いできました。そのモデルとなる成人部門として就職から定着までのサポートを約束したウインカルを併設し、家族にとって大人になった時の将来の姿がイメージできるよう一貫したライフサイクルの支援を目指しています。

障がいの多様化や人生の選択の可能性を追求していくと、やはり社会の中で働くということは欠かせません。そのプロセスを丁寧にサポートするために、ジョブあしすとUMAやジョブコーチは、福祉の世界から飛び出して一般社会や企業文化の中で揉まれつつ、時に伴走者であり、時に橋渡し役となり、あくまで黒子となって寄り添い続けています。

澄心は先人たちが築いてくれた確固たるルーツを持っています。しかしそれに縛られることなく、誇りは抱きつつもそこから学んだことをステップとして、更なる改善、理想を求めて常に変化をし続けていかなければなりません。

「このまちで共に生きる」という理念には澄心が大事にしてきた価値の中核を成しており、この普遍的な原理があることで私たちは次の一歩を踏み出す勇気を与えられています。

社会福祉法人 澄心 理事長
サイン

ノーマライゼーションの
八つの原則(ニィリエ)

  • ノーマライゼーションとは、
    一日の普通のリズム

    朝ベッドから起きること
    たとえ君に重い知的障がいがあり、身体障がい者であっても、 洋服を着ること
    そして家を出、学校か勤めに行く
    ずっと家にいるだけではない
    朝、君はこれからの一日を思い
    夕方、君は自分のやり遂げたことをふりかえる
    一日は終わりなく続く単調な24時間ではない
    君はあたりまえの時間に食べ、普通の洋服を着る
    幼児ではないなら、スプーンだけで食べたりはしない
    ベッドではなく、ちゃんとテーブルについて食べる
    職員の都合で、まだ日の暮れぬうちに夕食をしたりはしない

  • ノーマライゼーションとは、
    一週間の普通のリズム

    君は自分の住まいから仕事場に行き働く
    そして、別の所に遊びに行く
    週末には楽しい集いがある
    そして月曜日にはまた学校や職場に行く

  • ノーマライゼーションとは、
    一年の普通のリズム

    決まりきった毎日に変化をつける長い休みもある
    季節によってさまざまな食事、仕事、行事、スポーツ、余暇の活動が楽しめる
    この季節の変化のなかでわたし達は豊かに育てられる

  • ノーマライゼーションとは、
    あたりまえの成長の
    過程をたどること

    子供の頃は夏のキャンプに行く
    青年期にはおしゃれや,髪型,音楽,異性の友達に興味を持つ
    大人になると,人生は仕事や責任でいっぱい
    老年期はなつかしい思い出と,経験から生まれた知恵にあふれる

  • ノーマライゼーションとは、
    自由と希望を持ち、周りの人も
    それを認め、尊重してくれること

    大人は好きなところに住み、自分にあった仕事を自分で決める 家にいてただテレビを見ていないで、友達とボーリングに行く

  • ノーマライゼーションとは、
    男性、女性どちらもいる
    世界に住むこと

    子供も大人も、異性との良い関係を育む
    十代になると、異性との交際に興味を持つ
    そして大人になると、恋に落ち、結婚しようと思う

  • ノーマライゼーションとは、
    平均的経済水準を保証されること

    誰もが基本的な公的財政援助を受けられ、そのための責任を果たす
    児童手当、老齢年金、最低賃金基準法のような保障を受け、経済的安
    定をはかる 自分で自由に使えるお金があって、必要なものや好きなものが買える

  • ノーマライゼーションとは、
    普通の地域の普通の家に住むこと

    知的障がいだからといって、20人、50人、100人の他人と大きな施設に住むことはない。
    それは社会から孤立してしまうことだから
    普通の場所で、普通の大きさの家に住めば
    地域の人達の中にうまくとけ込める

澄心のあゆみ

1998 社会福祉法人澄心設立準備委員会発足
1999 8月17日 社会福祉法人認可
2000 7月1日 知的障がい者生活施設「なかまたち」(定員50名)
知的障害者デイサービスセンター「たのしみ」(定員15名)
児童・知的障害者短期入所事業「なかまたち」(定員4名)
3事業を開始
2001 10月1日 障害児(者)地域療育等支援事業「かたぐるま」開始
2003 4月1日 児童・知的障害者短期入所事業「なかまたち」定員6名に変更
11月1日 知的障害者地域生活援助事業「イーオラス」(定員4名) 開始
2004 5月1日 児童・身体障害者及び知的障害者居宅介護事業「ごきげんさん」開始
2005 4月1日 四国中央市障害者総合相談窓口事業「こんぱす」 開始
10月1日 知的障害者生活支援事業「たんぽぽ」 開始
2006 4月1日 障害者自立支援法施行に伴い、いくつかの事業が廃止、再編される

知的障害者共同生活援助・共同生活介護事業 「イーオラス」(定員4名) 変更
知的障害者共同生活介護事業 「セントラル」(定員5名) 開始
10月1日 知的障害者デイサービスセンター「たのしみ」 廃止
障害児(者)地域療育等支援事業「かたぐるま」 廃止
知的障害者生活支援事業「たんぽぽ」 廃止
生活介護事業・就労移行支援事業 「たのしみ」(定員20名) 開始
児童・知的障害者短期入所事業「なかまたち」定員4名に変更
共同生活介護事業「イーオラス」(定員4名) 変更
共同生活介護事業「セントラル」(定員4名) 変更
四国中央市障害者総合相談窓口事業・指定相談支援事業・障がい児(者)療育支援事業「こんぱす」 開始
居宅介護・重度訪問介護・行動援護「ごきげんさん」 開始
2007 4月1日 生活介護事業・就労移行支援事業
「ステップbyすてっぷ」(定員30名) 開始
四国中央市障害者総合相談窓口事業・指定相談支援事業・機能強化事業・障がい児(者)療育支援事業「四国中央市障害児者相談支援センター」 名称変更・開始
移動支援事業「たのしみ」・「ごきげんさん」 開始
共同生活介護事業「イーオラス」定員5名に変更
5月1日 共同生活介護事業「セントラル2」(定員4名) 開始
共同生活介護事業「セントラル3」(定員3名) 開始
日中一時支援事業「ぽれぽれ」 開始
2008 5月1日 共同生活介護事業「セントラル4」(定員3名) 開始
2009 3月31日 就労移行支援事業「ステップbyすてっぷ」廃止
4月1日 生活介護事業・就労継続支援B型事業 「ステップbyすてっぷ」(定員20名) 再編・開始
10月1日 緊急障害者求人開拓推進支援事業 開始
2010 3月31日 指定相談支援事業「四国中央市障害児者相談支援センター」 委託終了
4月1日 相談支援機能強化事業・障害者求人開拓推進支援事業 「ジョブあしすとUMA」 開始
5月1日 児童デイサービス事業・日中一時支援事業・障がい児(者)療育支援事業 「ぽれぽれ」(定員10名) 開始
生活介護事業・就労移行支援事業・就労継続支援B型事業 「たのしみ」(定員20名) 再編・開始
8月1日 共同生活介護事業「セントラル5」(定員3名) 開始
2011 3月31日 就労移行支援事業「たのしみ」 廃止
4月1日 生活介護事業・就労継続B型事業「たのしみ」(定員20名)再編・開始
児童デイサービス事業・就労移行支援事業・障がい児(者)療育支援事業
「ぽれぽれウインカル」(定員20名) 再編・開始
居宅介護・重度訪問介護・行動援護
「ごきげんさん」 NPO法人今人倶楽部へ移管
5月1日 日中一時支援事業「ほっと」 開始
四国中央市ジョブメンター養成配置事業 開始
9月30日 障害者求人開拓推進支援事業「ジョブあしすとUMA」委託終了
10月1日 障害者就業・生活支援センター事業「ジョブあしすとUMA」開始
11月30日 知的障がい者生活施設(知的障害者更生施設)「なかまたち」廃止
12月1日 障害者支援施設「なかまたち」(施設入所支援 定員40名・生活介護 定員40名)開始
2012 1月1日 共同生活援助事業「イーオラス」定員5名に変更
2月1日 相談支援事業「四国中央市そうだんさぽーとセンター」開始
3月1日 四国中央市ジョブメンター養成配置事業 委託終了
4月1日 委託相談支援事業・特定相談支援事業・一般相談支援事業・障害児相談支援事業「四国中央市そうだんさぽーとセンター」再編・開始
児童発達支援事業・放課後等デイサービス事業・就労移行支援事業・障がい児(者)療育支援事業 「ぽれぽれウインカル」(定員20名)再編・開始
基幹相談支援事業「四国中央市基幹相談支援センター」開始
11月1日 日中一時支援事業「ほっと」委託終了
12月1日 基幹相談支援事業「四国中央市基幹相談支援センター」委託譲渡
2014 4月1日 四国中央市障害者職場実習応援事業 開始
共同生活援助事業「セントラル6」(定員2名)開始
共同生活援助事業「イーオラス」定員6名に変更
2015 10月1日 委託相談支援事業・特定相談支援事業・一般相談支援事業・障害児相談支援事業・障がい児(者)療育支援事業 「澄心そうだんさぽーと」名称変更
2018 2月1日 共同生活援助を土居町に新設
「セントラル1」(定員4名)
「セントラル2」(定員6名)
「セントラル3」(定員5名)
「セントラル4」(定員3名)
「セントラル5」(定員2名)再編・開始
6月30日 共同生活援助事業「イーオラス」廃止
7月1日 共同生活援助事業「セントラル3」(定員6名)
「セントラル5」定員4名に変更
10月1日 就労定着支援事業「ぽれぽれウインカル」開始
2020 3月1日 生活介護事業・就労継続支援B型事業「たのしみ」新築・移転
11月1日 児童発達支援事業・放課後等デイサービス事業・就労移行支援事業(定員30名)・就労定着支援事業 障害児(者)療育支援事業「ぽれぽれウインカル」 新築・移転・再編・開始
委託相談支援事業・特定相談支援事業・障がい児相談支援事業・一般相談支援事業「澄心そうだんさぽーと」移転
2021 6月1日 一般就労障がい者ピアサポート養成研修事業 開始
10月25日 障害者支援施設「なかまたち」日中活動棟増築
11月1日 障害者就業・生活支援センター「ジョブあしすとUMA」移転
現在に至る

役員名簿

役職 名前 職業・公職
評議員 山中 健太郎 山中商事株式会社 代表取締役会長
評議員 大西 史郎 社会福祉法人光と風 理事長
評議員 矢吹 了一 NPO法人児童・障がい児(者)相談支援ネットワーク高知 理事長
評議員 永易 美智代 社会福祉法人澄心 家族会会長
評議員 鈴木 太 NPO法人今人倶楽部 理事長
評議員 岩城 由幸 大阪府障害者福祉事業団 理事兼指導調査室長
評議員 白石 公 こころの森しらいしクリニック 院長
理事長 井原 佳代 なかまたち施設長
理事 清家 孝 総務部長・ステップbyすてっぷ施設長
理事 河坂 昌利 社会福祉法人高槻ライフケア協会 理事長
理事 田所 浩厚 株式会社マルク特定相談支援事業所インクル 管理者
理事 宮﨑 美保 たのしみ施設長
理事 加地 宣幸 医療法人誓生会 事務局長
元 四国中央市 福祉部長
監事 青木 基 元 四国中央市 保健福祉部長
元 四国中央市 消防長
監事 須山 三陽 社会福祉法人親和園 障害者支援施設久谷 施設長

決算報告

2022年度
2021年度
2020年度
2019年度

寄附のお願い

社会福祉法人澄心では、事業の一層の充実を目的として、個人、法人、団体の皆様からのご寄附の受付を行っております。

寄附金の
お申込み
申込書(寄附金申込書ダウンロード)に必要事項を記載の上、当法人へ郵送またはファックスでお送りいただきますようお願い申し上げます。
お振込先
口座
金融機関名:愛媛銀行 土居支店
振込先名義:社会福祉法人澄心 理事長 井原 佳代
口座番号:(普)3163051
お問い合わせ・お申込み先 社会福祉法人 澄心 法人本部
〒799-0432 愛媛県四国中央市豊岡町大町2005-1
TEL/0896-25-3633
FAX/0896-25-3622
寄附金控除
について
社会福祉法人澄心へのご寄附は、社会福祉事業に対する寄附として、税制上の優遇(寄附金控除)を受けることができます。
詳しくは、国税庁ホームページ「寄附金を支払ったとき」をご覧ください。